『明智恭介の奔走』の結末は、シリーズの主人公である明智恭介が助手の葉村譲と共に、神紅大学内外で起きる様々な小さな謎や事件を解き明かしていく物語の短編集の形をとっています。物語終盤にかけて、名探偵としての明智の推理力と葉村のサポートにより、真相にたどり着くものの、名探偵というよりはどこかトラブルメーカー的な描かれ方になっているのが特徴です。
シリーズの元となる『屍人荘の殺人』で明智が早期退場してしまったため、本作はその以前の語られざる事件を連作短篇で描き、明智と葉村が過ごした数ヶ月の出来事や事件を浮き彫りにしています。最後まで明智の奔走ぶりやコミカルさ、人間味あふれるキャラクターが読者の興味を引く形で終わりますが、物語としての大どんでん返しや派手なクライマックスはなく、日常的で論理的なミステリーとして完結しています。
つまり、「明智恭介の奔走」の結末は、明智が助手の葉村と事件の謎を解明しながらも、トラブルを起こしつつも変わらず奔走し続けたところで物語が終わる形で、シリーズ本編に繋がる布石を残した余韻のある終わり方になっています.readover5.hatenablog+4

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