東大・京大・国立医学部 数学 予想問題
【問題】
$$n$$ を $$2$$ 以上の整数とする。
$$xy$$ 平面上の曲線 $$C: y = x^n e^{-x} \ (x \geqq 0)$$ について、以下の問いに答えよ。
(1) 曲線 $$C$$ の変曲点の個数を求めよ。
(2) $$C$$ の接線のうち、原点 $$(0,0)$$ を通るものの本数を求めよ。
(3) $$C$$ と $$x$$ 軸、および直線 $$x=n$$ で囲まれた部分の面積を $$S_n$$ とするとき、極限 $$\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{S_{n+1}}{n S_n}$$ を求めよ。
【解答・解説】
(1) 変曲点の個数
まずは導関数を計算します。
$$f(x) = x^n e^{-x}$$ とおくと、
$$f'(x) = n x^{n-1} e^{-x} – x^n e^{-x} = x^{n-1}(n-x)e^{-x}$$
$$f”(x) = (n-1)x^{n-2}(n-x)e^{-x} + x^{n-1}(-1)e^{-x} – x^{n-1}(n-x)e^{-x}$$
$$f”(x) = x^{n-2}e^{-x} \{ (n-1)(n-x) – x – x(n-x) \}$$
$$f”(x) = x^{n-2}e^{-x} \{ x^2 – 2nx + n(n-1) \}$$
変曲点は $$f”(x)=0$$ となり、かつその前後で符号が変化する点です。
$$x^{n-2}e^{-x} > 0 \ (x > 0)$$ より、二次方程式 $$g(x) = x^2 – 2nx + n(n-1) = 0$$ の正の実数解を調べます。
判別式を $$D$$ とすると、
$$D/4 = n^2 – n(n-1) = n > 0$$
よって、$$g(x)=0$$ は異なる2つの実数解 $$x = n \pm \sqrt{n}$$ を持ちます。
ここで、$$n \geqq 2$$ より $$n – \sqrt{n} = \sqrt{n}(\sqrt{n}-1) > 0$$ であるため、2つの解はともに正です。
$$x=0$$ について:
$$n=2$$ のとき、$$f”(x)$$ は $$x=0$$ で符号が変化しません($$x^0$$のため)。
$$n > 2$$ のとき、$$x^{n-2}$$ は $$x=0$$ の前後で符号が変化するかどうかは $$n-2$$ の奇偶によりますが、そもそも $$x \geqq 0$$ の範囲を考えているため、定義域の端点付近での符号変化を考慮しても通常「変曲点」には含めません。
したがって、正の範囲にある 2個 が答えとなります。
答:2個
(2) 原点を通る接線の本数
曲線上の点 $$(t, t^n e^{-t}) \ (t \geqq 0)$$ における接線の方程式は、
$$y – t^n e^{-t} = t^{n-1}(n-t)e^{-t} (x – t)$$
これが原点 $$(0,0)$$ を通るので、
$$-t^n e^{-t} = t^{n-1}(n-t)e^{-t} (-t)$$
$$t^n e^{-t} \{ -1 + (n-t) \} = 0$$
$$t^n e^{-t} (n – 1 – t) = 0$$
$$e^{-t} > 0$$ より、
$$t^n (n – 1 – t) = 0$$
これを満たす $$t \geqq 0$$ は、
$$t = 0$$ または $$t = n – 1$$
$$n \geqq 2$$ より、$$n-1 \geqq 1$$ です。
よって、接点は $$(0,0)$$ と $$(n-1, f(n-1))$$ の2点存在します。
この2点における接線は、傾き $$f'(0)$$ と $$f'(n-1)$$ が異なるため($$n=2$$ のとき $$f'(0)=0, f'(1)=e^{-1}$$)、別々の直線となります。
したがって、接線の本数は 2本 です。
答:2本
(3) 面積の極限
$$S_n = \displaystyle \int_{0}^{n} x^n e^{-x} dx$$
部分積分を用いると、
$$S_{n+1} = \displaystyle \int_{0}^{n+1} x^{n+1} e^{-x} dx$$
$$= [ -x^{n+1} e^{-x} ]_{0}^{n+1} + \displaystyle \int_{0}^{n+1} (n+1) x^n e^{-x} dx$$
$$= -(n+1)^{n+1} e^{-(n+1)} + (n+1) \left( \displaystyle \int_{0}^{n} x^n e^{-x} dx + \int_{n}^{n+1} x^n e^{-x} dx \right)$$
$$= -(n+1)^{n+1} e^{-(n+1)} + (n+1) S_n + (n+1) \displaystyle \int_{n}^{n+1} x^n e^{-x} dx$$
求めたい式は $$\frac{S_{n+1}}{n S_n}$$ です。上記式を $$n S_n$$ で割ると、
$$\frac{S_{n+1}}{n S_n} = \frac{n+1}{n} + \frac{1}{n S_n} \left\{ (n+1) \displaystyle \int_{n}^{n+1} x^n e^{-x} dx – (n+1)^{n+1} e^{-(n+1)} \right\}$$
ここで、$$n \to \infty$$ における $$S_n$$ の振る舞いを評価します。
$$x^n e^{-x}$$ は $$x=n$$ で最大値 $$n^n e^{-n}$$ を取ります。
詳細な評価(ガンマ関数の性質やラプラス近似的な考え方)を背景としますが、高校数学の範囲では:
$$S_n = \int_{0}^{n} x^n e^{-x} dx$$ は $$n$$ が大きくなるとき、全区間積分 $$\int_{0}^{\infty} x^n e^{-x} dx = n!$$ の約半分に収束することが知られています。
すなわち $$S_n \approx \frac{1}{2} n!$$ です。
一方、波括弧内の項について、
$$\int_{n}^{n+1} x^n e^{-x} dx$$ は、この区間での最大値が $$n^n e^{-n}$$(左端)であることを考えると、$$n^n e^{-n}$$ 程度の大きさです。
スターリングの公式 $$n! \approx \sqrt{2\pi n} (\frac{n}{e})^n$$ を考慮すると、$$n S_n$$ は $$(n+1)^{n+1} e^{-(n+1)}$$ よりも圧倒的に速く増大します。
よって、第2項は $$0$$ に収束します。
したがって、
$$\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{S_{n+1}}{n S_n} = \lim_{n \to \infty} \frac{n+1}{n} = 1$$
答:1
京大対策のアドバイス
- 計算の工夫: (1)のように、一見複雑な微分も、共通因数 $$x^{n-2}e^{-x}$$ でくくることで見通しが良くなります。
- 論理的飛躍を防ぐ: (2)で接線の本数を聞かれた際、接点の数と接線の数が一致するか(重なりがないか)を一言添えるのが京大答案のコツです。
- 極限の感覚: (3)のような積分を含む極限は、関数の最大値や面積のおおよその検討をつける力が試されます。
この問題が京都大学合格への一助となれば幸いです!頑張ってください。

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